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社会に幸せなインパクトを生み出し社会課題解決に貢献する
乃村工藝社様インタビュー

2021.09.14

商業施設やホテル、ワークプレイスなどの空間の企画やデザイン、施工を手がける「乃村工藝社」。社会に幸せなインパクトを生み出し社会課題解決に貢献する「ソーシャルグッド」の取り組みを積極的に行っています。なかでも、森林保護や国産木材の使用推進のためにフェアウッドの活用を進めていく「フェアウッド応援宣言」を11年前からスタートしています。

フェアウッド応援宣言とは

宣言1 フェアウッドを積極的に使用
・国産材や地域産材(消費地との距離が近い、地域の木材)
・信頼のある森林認証を受けた木材(FSC・PEFC・SGECなど)
・木廃材を原料とした木質建材(リサイクル材・リユース材)

宣言2 高リスクな木材の排除につとめる
・絶滅が危惧されている樹種の木材
・合法的に伐採・生産・取引されたかどうかが不明な木材
・原産地や樹種の不明な木材
フェアウッド応援宣言

国産の木材でストーリーをつなぎ、
オンリーワンの空間づくりを

神奈川県のヒノキのベニヤを使用して作られたドーム。全て異なるパーツが使用されているそう
企画・プロデュース、施工監理、プロジェクトマネジメント:株式会社乃村工藝社/基本設計、クリエイティブディレクション:株式会社乃村工藝社 NOMLAB/構造検討:株式会社構造計画研究所/実施設計、構造設計、部材加工:VUILD株式会社/現場設置:株式会社高千穂プロダクツ

「木材を正しく使用し、経済を循環させていくネットワークづくりや、アイディアを提供していくことが私たちのミッションだと考えています」と話すのは、フェアウッドプロジェクトリーダーの加藤悟郎さん。「森の木を育てるためには、木々に光が当たるよう切っていく必要があり、日本の木は今がその時期となっています。建築物の内装を木造化すると、和風になってしまいがちですが、さまざまな樹種や伝統的な技法を使ったり、長く使ってきたものを再利用することによって、新たなストーリーにつながり、そこに携わる人たちの心を動かしていくことができます」と加藤さん。目指すのは、オンリーワンの空間。100%フェアウッドの空間をつくったり、木を丸ごと1本使用したり、目からウロコのアイディアを次々と生み出しています。

資源を活かす
地域経済の循環にも貢献

Nazuna 京都 椿通(株式会社Kiraku、株式会社Nazuna)
明治時代に建てられた、町家が並ぶ路地一体が23室の宿泊施設へ

デザイナーである小糸紀夫さんは、「木は育った場所で使われるのが一番いい」と、さまざまなプロジェクトに参画。現地の木材を積極的に使い、古くからある伝統的な建築物を、元の形を残しながらもバランスよく現代の要素を盛り込み、集客ができる文化遺産とすることで、循環する地域経済に貢献。これにより日本の良さを再確認し、木材の可能性を生み出しています。「木材は可燃物のため内装制限があります。うまく使っていく方法や道筋を立て、木材を使うということに対してのハードルを下げていきたいですね」

産地とまちをつなぐ「もりまちドア」

「森林所有者や原木市場、製材業者を“川上”、私たち空間デザイナーやプランナー、施主やユーザーを“川下”とたとえたとき、川上と川下をどうつないでいくかが課題です。木を切って使用する機会を増やす、産地がわかるところから正しく調達する、なるべく長く使うなど、プレイヤーを増やし、産地に付加価値をつけていきたい。そして、業界を盛り上げたいですね」と加藤さん。産地とまちをつなぐツールとして、ウェブサイト「もりまちドア」を開設。産地の人と実際につながってモノづくりをすすめていくための「産地体験会」を2018年から開始しました。「これまで東京近郊での実施が多かったのですが、日本のさまざまな産地とネットワークを組んで、人と人とのつながりを広げていければと思っています」
もりまちドア →

株式会社乃村工藝社 フェアウッド・プロジェクト リーダー
加藤 悟郎さん

東京工業大学大学院卒。乃村工藝社のCSV活動組織体にて事務局長を務める。空間での国産フェアウッド(合法性・持続可能性木材)の利活用により林産業の自律的な経済活動や日本の森の保護・成長に貢献する「フェアウッド・プロジェクト」、全国の伝統技術を空間に取り入れ高付加価値の空間提案をおこなう「JAPAN VALUE Project」のプロジェクトリーダーも兼任。一般社団法人木を活かす建築推進協議会委員(2018年)や産地見学会の主催、環境省主催セミナー登壇、寄稿などの活動もおこない、木のストーリーとクリエイティビティのある循環型の木質空間づくりを目指している。

株式会社乃村工藝社 クリエイティブ本部 NAU
小糸 紀夫さん

明治大学建築学科卒。ゼネコン、設計事務所を経て乃村工藝社で内装から建築まで幅広いデザインを手掛ける。2020年には、乃村工藝社が包括的連携協定を締結しクリエイティブ・パートナーとして活動する宮崎県日南市の「Nazuna 飫肥 城下町温泉」、町家が立ち並ぶ路地を一つの宿に改修した「Nazuna 京都 椿通」をはじめ、「蕉雨館」、「LOQUAT西伊豆」と江戸・明治期の古民家、建築基準法以前歴史的建築物などの利活用プロジェクトを担当。耐震改修を含む大掛かりな改修やリノベーションからコンバージョンと手掛ける手法は多岐にわたり、空間づくりを通した地域活性化に取り組んでいる。

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