泉 浩さん
2021.10.15
夢をもつことの大切さ
~柔道でつなぐ“絆”をつくろう~

目標を作ること × 人とのつながり
私は、柔道でオリンピックや世界選手権大会に出場し、メダルを獲ることを目指していました。多くの人が達成できないように感じる世界1位という目標は、小さな目標の積み重ねで生まれた大きな目標なのです。
柔道を始めたのは、小学校3年生のときでした。泣き虫だった私の根性を叩き直すため、親に連れて行かれたのが始まりです。中学から地元青森を離れ、東京で寮生活。否が応でも自立をしなくてはいけない状況で、“自分のために何かをしてくれていた”親や周りの人への感謝の気持ちが深まりました。
目の前のことで必死だった中学時代から、目標は少しづつ大きくなっていき、強い先輩がしている練習より多い練習量を日々、地道に重ねていきました。
2004年アテネオリンピックでは、銀メダルを獲得。ですが獲得後、金メダルと銀メダルの大きな差を痛感する出来事が多くありました。一方で、結果だけでなくプロセスの重要性にも気づき、翌年の世界柔道選手権では金メダルを獲得することができました。
一つの目標を達成したときに、また新たな目標を立てる。
その先に大きな夢は存在しているのだと思います。
現在は、漁師だった父親の影響で大田市場の水産関係で働き、柔道を通しても感じた“絆”の大切さを改めて実感しています。地域の子供たちと東京の子供たちを柔道でつなげる。
人とのつながりの大切さを教えてくれた柔道を通して、子供たちが目標・夢をもつきっかけを作りたいと思っています。
泉 浩 プロフィール

アテネオリンピック柔道 銀メダリスト
青森県教育庁 スポーツ競技力向上対策委員 就任
1982年6月22日生まれ。青森県出身。
兄の影響で9歳から柔道を始め、高校時代はインターハイ、全日本ジュニア体重別選手権で優勝、その後 明治大学進学後、全日本選抜体重別、講道館杯、ユニバーシアードのタイトルを総なめにするなど驚異的な強さを見せた。2004年にはアテネオリンピック柔道90kgに出場し、五輪初出場にして堂々の銀メダルを獲得。旭化成(2005~2009 年)に入社後も、カイロ世界柔道選手権大会で優勝するなど活躍を続け、2大会連続で 2008年の北京オリンピックにも出場した。また、オリンピックではその戦いぶりもさることながら、マグロ漁師の家に生まれ育ったという点でも注目を浴び、大会中にテレビ局が大間まで取材に訪れる一幕もあった。
2009年、プロ総合格闘技に転向し活動した後、2012 年に現役を引退。それから3年後の2015年神奈川県柔道選手権大会(12月)に出場、競技復帰を果たす。現在は現役を引退し復興支援やスポーツ推進のための柔道教室・講演活動などを行っている。