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“採算ベース”でも“環境ベース”でも持続可能なビジネスを。
社会・自社双方の持続可能性を実現するための取り組みニッコー株式会社様インタビュー

2022.05.03

「サステナブルなことをやっているというのは単なるPRではありません。 黒字化と環境への配慮、どちらが欠けてもビジネスとして成り立つことはないと思います。そんな我々の取り組みに共感し一緒に働いてくれる企業を増やす、ファンを増やす。これらを達成するために今できることは何だろう。社員みなで考え、行動に移しています」。
1908年(明治41年)、日本硬質陶器株式会社(洋食器メーカー)として創業、今や陶磁器だけでなく暮らしの随所にみられるNIKKOの商品。陶磁器事業=不採算事業と言われ苦しむ今だからこそ、地球環境と黒字化経営の両立を考えます。
ニッコー株式会社常務取締役三谷直輝さんにお話を伺いました。

【BONEARTH-捨てられる食器から生まれた美しい肥料】

ニッコー食器の素材であるNIKKO FINE BONE CHINAの原料の約50%を占める骨灰(ボーンアッシュ)。安全性、陶磁器の白さと透光性を引き立てるだけでなく、その主成分であるリン酸三カルシウムが肥料として有効であることから、生産過程で生じる規格外品を肥料へとリサイクルする技術を確立しました。これが“BONEARTH(ボナース)。捨てられる食器から生まれた美しい肥料として2022年3月に正式に発表、4月2日に発売が開始されました。
その特徴としては大きく3つ。
① 臭いもなく、長期保存できる安全・清潔な肥料 
② 長期間肥料効果が持続し、河川流出しにくく環境にやさしい肥料
③ 白く映える化粧砂
「BONEARTHがどの植物にどこまでの効果を発揮できるかはさらなる研究が必要となります。今後、この企画を面白いと賛同してくれる企業さんや農家さんと協力し、活用方法を追求していくつもりです」と三谷さん。今後の研究成果にも期待できそうです。

BONEARTH

【NIKKO Circular Lab-循環型の陶磁器作り】

食器はこれまで「原料採掘→製造→利用→廃棄」という直線的な仕組みでしかありませんでした。サステナビリティを考える必要のある今、直線型のモデルから循環型モデルへ移行する道筋を確立するためにはどうしたらいいのだろうか。NIKKOとして今、何をすべきか、何ができるのか。これはひいては会社の存在意義へとつながるものとなります。社員と勉強会・ワークショップを重ね、アイデアを募集すると実に40名の社員から246ものアイデアが創出されました。その中から、社会・自社双方にとって重要度が大きく、かつ、実現可能なものを選出、着手しました。ここに挙げるのは主な試みです。

《生物・技術サイクル=“BONEARTH”によるサーキュラーエコノミー》
① NIKKOによる原料調達
② 陶磁器製作
③ 飲食店で使用(消費者へ提供)
④ 割れたものを回収
⑤ BONEARTHに転換
⑥ 農家が使用
⑦ BONEARTHによりおいしい農作物収穫
⑧ 飲食店へ

《技術サイクル=サブスクリプションサービス(sarasub)のスタート》
耐久性の高いお皿を作ることは、環境に優しくある一方で会社に継続的な利益が生まれないという弊害をも持ちあわせます。そこで所有権はNIKKOが持ちつつ、顧客に継続課金をする仕組み(サブスクリプションサービス)を開始。これによって耐久性が高いほど、一枚の食器が価値(儲け)を生むシステムを確立しました。回収したお皿をメンテナンスやリカラー、リメイクすることで長寿命化を図ります。

《技術サイクル=Recolor》
釉薬をかけ、焼き直すことで色落ちしたお皿を再利用、有効活用へ。これは新品同様どころか、まったく違った表情をつくることも可能とのことです。

NIKKO Circular Lab

【table source-飲食店のサステナビリティを支援するWEBマガジン】

「サステナブルな情報が欲しい、けれどもよくわからない」。「やれと言われているけれど何をしていいのかわからない」。食器メーカーだからこそ聞ける飲食店・ホテルからの本音。それならば食器を売るだけでなく、情報提供もしていってみてはどうだろうか、ということで始まったのが“table source(WEBマガジン)”です。「table source」という名前には、アイデアの源(ソース)になりたいという想いがこめられており、大きく「学ぶ」「つながる」「行動する」の3本の柱の下、食に特化したインタビューの掲載や、オーガニック・リサイクルできる商材の販売、また日本サステナブルレストラン協会に加入し、お店のサステナブル作りを支援しています。

table source


日本の老舗陶磁器企業として110年以上もの歴史を持つNIKKO(ニッコー)。創業以来、原料から完成に至るまでのすべての工程を一貫して石川県の自社工場で行うという、ニッポンのモノづくりを支える老舗企業のひとつです。サステナブルを意識しつつ利益も上げる。それが今を生きる企業の姿であると今回改めて認識させられました。

ニッコー株式会社
常務取締役 バンクチュール事業部長兼人事本部長
三谷 直輝さん

ニッコー株式会社
慶應義塾大学在籍時、研究会でデザイン思考を学ぶ。卒業後、東京のデザイン事務所で勤務し企業ブランディングに従事。ニッコー(株)に入社後はブランディングや新規プロジェクトを企画し陶磁器事業初め未来志向の改革を行っている。直近では、飲食店のサステナブルな未来をつくるオウンドメディア「table source」、自社のサーキュラー化を追求する「NIKKO Circular Lab」、忘れられてしまった大切な物が見つかるジェネラルストア「LOST AND FOUND」等。

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