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TOP 企業インタビュー Vol.11くら寿司株式会社様インタビュー

子や孫の代まで、日本のおいしい魚が
食べられる未来を創造する。

くら寿司株式会社様

2022.06.20

和食文化、寿司文化を持ちながら魚の国内自給率が決して高くない日本。SDGsの目標のひとつでもある「漁業の持続可能な発展」の実現は、限りある国内の海洋資源を保護すると同時に、日本の未来を守ることにつながるとくら寿司は考えます。 これまでのようにただ「仕入れ」て「販売する」だけではなく、漁業者と直接かかわり、独自のルートで配送、加工。貴重な国産天然魚を余すところなく、無駄なくおいしく消費者にお届けする。
日本の文化-未来を守る取り組みについて、くら寿司株式会社広報・マーケティング本部 広報部 小坂様にお話を伺いました。

【天然魚プロジェクト】

「国産天然魚」と聞くと誰もが同じような魚を思い浮かべると思います。しかしその陰には「低利用魚」と呼ばれる、市場にあまり流通されない魚が多く存在するという現実があります。 品質が良くおいしいにもかかわらずあまり知られていない魚、加工や調理の仕方が難しい故に人気がでない魚。そんな魚もすべて日本の貴重な国産天然魚。そこでくら寿司では国内の自給率を上げ、「日本の天然魚をもっと手軽に、おいしく楽しんでいただきたい」という思いから【天然魚プロジェクト】をスタートさせました。その取り組みの中のひとつが、【一船買い】です。これは定置網にかかった様々な魚を種類や大きさに関わらず、くら寿司がまるごとすべて一定の価格で買い取るという年間契約のこと。これにより有名魚はもちろん、これまであまり知られていなかった魚も、それぞれに適した活用法を見出すことで、幅広く継続的に天然魚を食べていくことが可能になります。またこれには天然資源の有効活用のみならず、漁業就業者の収入を安定化させるという重要な側面も。さらに市場全体の漁獲量に価格が左右されることが少なくなり、消費者に手軽な価格でおいしい魚を提供することをも可能にします。
天然魚プロジェクト

【さかな100%プロジェクト】

実はお寿司のネタとして使えるのは魚全体の約40%。残りの60%はこれまでは廃棄の対象となっていたそうです。その60%を無駄なく全て使い切ろうと、2018年5月、大手回転寿司チェーン初の取り組みとして、国産天然魚の食べられない部位を活用する【さかな100%プロジェクト】をスタートさせました。例えば背骨に残った身はそぎ落としてすり身のコロッケに。ネタの大きさとしては足りないけれどもまだまだおいしく食べられる端材は海鮮丼に。さらに一番の課題であった骨やアラは魚粉にして、くら寿司で販売する養殖魚のエサの一部として活用することに成功しました。このエサで育つ画期的な魚が「循環フィッシュ」。
同プロジェクトは、“社会的課題の解決と、自らの成長の両立をめざす企業の取り組み”として高く評価され、「第6回環境省グッドライフアワード実行委員会特別賞サステナブル・ビジネス賞」を受賞しました。
さかな100%プロジェクト

【お寿司で学ぶSDGs】

昨今の子どもたちにとって、とても身近な存在となっている回転寿司。くら寿司では大手回転寿司チェーン初の取り組みとして、小学生向けに学研と共同でSDGs学習に特化した出張授業プロジェクトを始動しました。「未来でお寿司が食べられなくなるかも?!」とまずは問題提起。模型や映像授業を通して、水産資源の現在の問題点、生産者の高齢化による後継者不足などから、日本の寿司文化をどうすれば未来につなげていけるかを子供たちとともに考えます。さらにくら寿司が学校に持ち込む回転レーンを使用し、回転お寿司屋さんも体験。ゲームを通してフードロス問題について考えます。
「この授業を受けたこどもたちが次にお寿司屋さんに行ったとき、お魚に興味を持って食べてもらうことができればうれしいですね」と小坂さん。大好きなお寿司を通しての授業、生き生きと授業を受ける子供たちの姿が目に浮かびます。
お寿司で学ぶSDGs

くら寿司ではこのところ、水産専門会社『KURAおさかなファーム』を設立、、オーガニックフィッシュ、AIやIoTを活用した全量買い取りの完全委託養殖など、新たなチャレンジが目白押し。さらに上記の通り、子供たち向けにも出張授業を企画実行するなど、日本の危機に瀕する水産業を根底から支える努力を続けています。そのせいかインタビューでお伺いした内容はどれも非常に興味深く、「なるほど」と感心することばかり。
今後も漁業の持続可能な発展=日本のおいしい寿司文化の未来のために、くら寿司さんのさらなる挑戦に期待です。

くら寿司株式会社
広報・マーケティング本部 広報部
小坂 博之様

2003年くら寿司株式会社入社。
営業本部にて西日本店舗の店長、新規出店のオープニングリーダー、スーパーバイザー、九州エリアの統括マネージャー職を経て、2022年に広報部へ。
長く携わった現場業務の経験を活かして、広報の立場からくら寿司の魅力をより広くお客様に知って頂けるように取り組んでいます。
くら寿司

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