社会課題を解決し、サステナブルな人流・商流・物流を創出する
世界で一番選ばれ愛されるエアライングループへ
日本航空株式会社様
2022.08.08

1951年、戦後初の国内民間航空機として日本の空を飛んだ日本航空株式会社。創業以来、時代のニーズに合わせ事業を展開してきました。「以前より社内でも社会課題解決の必要性が問われつつありましたが、コロナになる前まではどちらかと言えば経済成長に重点が置かれていたかもしれません」と正直にお話しくださるのは今回インタビューを受けてくださった亀山さん。このコロナ禍を経て、昨年ゴールデンウィーク明け、社会課題解決取り組みの必要性を具体的な数値目標として算定した「中期経営計画ローリングプラン2022」が策定されました。多くの人々や様々なモノが自由に行きかう、心弾む社会・未来のためにJALグループとして何を取り組むべきか。将来的な実現目標となるJAL Vision2030について、日本航空株式会社 ESG推進部企画グループ、グループ長亀山さんにお話を伺いました。
【環境=持続可能な 未来の航空輸送を実現】

上:ジュレをかけて提供する茶そば。下:プラスチック製ストローとマドラーを木製に変更

上:ジュレをかけて提供する茶そば。下:プラスチック製ストローとマドラーを木製に変更
ESGを軸に経営戦略を進めるにあたり、航空業界と聞いてまっさきに思いつくのがCO2の削減。日本航空ではこれまでもCO2の排出を大きく減らす代替燃料の利用を積極的にすすめてきました。またフライトオペレーションの工夫、より低燃費なフライトを実現する飛行機の採用など、「2050年CO2排出量実質ゼロ」の実現に向け、2025年度までに約50万トン、2030年度までに約200万トンの削減と堅実なロードマップを策定しています。
また機内・ラウンジにおいては2025年までに「新規石油由来全廃」を掲げ、主に機内食食器にReduce・Reuse・Recycle・Redesignを採用、さらに一部路線では機内食不要の申し込みをした乗客にオリジナルアメニティキットを配布するなど、フードロス問題解決にも積極的に取り組んでいます。
JALグループローリングプラン2022
限られた資源の有効利用
ミールスキップオプション
【人・地域=航空の強みで 新たな社会基盤を創る】


JALグループでは、人・モノを輸送する=地域と国内外をつなぐ企業だからこそできる、国内地域社会の課題解決にも積極的に取り組んでいます。地域の魅力・価値を高め、発信し、国内外におけるヒトとモノの循環と流動を通して消費の拡大へとつなげる。それは例えば訪日外国人旅行者を地域に呼び込むことはもちろん、地域ならではの商品開発、特産物に付加価値をつけることによる販路拡大、またその土地の魅力を発掘し機内食での提供や各種メディアを通じて発信するなど、持続的な地域社会の実現と新たな航空需要を創出しています。また、関係人口拡大による地域活性化を目指した「JALふるさとワーキングホリデー」(農業留学)も実施。将来的な人口増加にも貢献します。
地域活性化
JALふるさとプロジェクト
【全ての投資はESG経営の推進のために】

JALグループでは2021年から2025年にかけて約6000億円ものESGファイナンスを積極的に活用することを宣言。JAL Vision 2030の達成に向け、まずは2025年の目標値に確実に達成すべく邁進しています。
下記がその具体的な数値目標の抜粋です。
《環境》 CO2削減=909万トン未満
客室・ラウンジ=新規石油由来全廃
貨物・空港=環境配慮素材へ100%変更
《地域社会》 地域活性化=国内の旅客・貨物輸送量 2019年対比+10%
《人》 グループ内女性管理職比率 30%
環境や地域社会については上で述べた通りですが、女性管理職比率、またパイロットやCAなど男女差のイメージが強い職種にも今後どう取り組んでいくのか、今後楽しみに見守っていきたいと思います。
ESG・SDGs Effort
偶然ですが、インタビュアーである私も近々JALさんの「どこかにマイル」を利用します。私が利用するのは申込時に行先がわからない、「お楽しみ」の旅。 “偶然が生み出す発見の旅”と謳われるとおり、自分では思いつかない地方都市に行ける、そんな魅力的ある企画です。通常より少ないマイルで旅ができる上に、地域経済にも微力ながら貢献できる、そんな両得のこのキャンペーン。新たな日本の魅力を知るチャンスをくれるJALさんに感謝です。
どこかにマイル

日本航空株式会社
総務本部 ESG推進部企画グループ長
亀山 和哉さん
入社以来、客室・整備・宣伝・労務などでキャリアを重ね、2017年よりサステナビリティ領域の業務に従事。
現在はESG推進部にて、中期経営計画で掲げるESG戦略の推進を担当。