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TOP 企業インタビュー Vol.17日本ロレアル株式会社様 インタビュー

世界最大の化粧品会社として、
より良い環境、社会の持続的発展のために
“LORÉAL FOR THE FUTURE”

日本ロレアル株式会社様

2022.09.26

ロレアルが持続的発展のためのサステナブルプログラムを最初に提唱したのは2013年のこと。以来、年々深刻度を増す社会課題に対応するべく、ロレアルグループでは、次のステップとして2030年に向けての「ロレアル・フォー・ザ・フューチャー」を2020年に立ち上げました。
●自社のビジネスの在り方を見直し、環境・課題解決に貢献する。 
●ステークホルダーを巻き込み、当社に関係するすべての人々が持続可能な取り組みに参加できるよう支援する。 
●広く社会課題に対し問題意識を持ち、解決方法を見つける。
2030年までにどのような変革を起こすのか、それぞれ数値化したKPI(Key Performance Indicator)を定め、あるべき企業のビジョン・目的・責任についての見解を具体的に表明しています。
化粧品会社として世界最大のロレアルグループ日本法人「日本ロレアル株式会社」。ヴァイスプレジデント コーポレート・レスポンシビリティ本部 本部長 楠田さんにお話を伺いました。

【2022年7月、カーボンニュートラルの達成】

国の掲げる「2050年カーボンニュートラル宣言」、さらにはロレアル・フォー・ザ・フューチャーの中の大きな目標の一つである、「2025年末までに全世界の拠点でカーボンニュートラル達成」。それに先立ち2022年7月、日本ロレアルはGHG(温室効果ガス)プロトコルのスコープ1および2を達成し、温室効果ガス排出実質ゼロ(ネットゼロ)を実現しました。
今後はさらに事業活動に関連する間接的な温室効果ガス(スコープ3)の削減も推進。具体例として、営業車の排出するCO2削減(2023年末までに-26%)、飛行機利用の出張の削減(同-20%)、輸入ルートのサステナブルな手段への移行(同-29%)など、明確な数値目標を設定、すでに達成したFSC認証紙100%使用、および紙製緩衝材への100%の切り替えも含め、今後も社会が直面する気候変動への課題に真摯に向き合い続けます。

カーボンニュートラル達成

【女性の活躍支援】

女性の社会での活躍の場がまだまだ発展途上と言える日本。そんな中、日本ロレアルの女性管理職比率52%、育休からの復帰率ほぼ100%(フルタイム)は特筆すべき数字と言えるでしょう。そんな女性活躍の取り組みは社内のみに収まりません。例えば社会的・経済的に厳しい状況下に置かれるシングルマザーに対して、就労につながる無料スキル講座・身だしなみ講座等を提供、希望する職種への就業や、現職におけるスキルアップをサポートし、実際、受講者56%の収入増を実現させました。また、有識者を招きアドバイザリーボードの提言をもとに2つのイニシアチブを始動。女子中高生向けのサイエンス教育提供により、未来の女性科学者育成に貢献、男性のさらなる家庭参画支援として男性の育児休業または育児休暇取得100%(2025年)を目指すなど多方向から女性活躍を支援します。このようなさまざまな取り組みにより、日本ロレアルは、令和3年度、東京都が実施する「東京都女性活躍推進大賞」の産業分野にて大賞を受賞しました。
また、社長自ら内閣府男女共同参画局が主宰する“輝く女性の活躍を推進する男性リーダーの会”にも参加。ジェンダーギャップの解決に向けた取り組みにより、現代の課題とされる「女性活躍」を推し進めます。

東京都女性活躍推進大賞受賞

【ゴミの廃棄削減・リサイクルプロジェクト】

日本ロレアルでは、「ロレアル・フォー・ザ・フューチャー」の中で、ゴミの削減・リサイクルについても明確な目標を定めました。例えば、製品廃棄・余剰在庫(主に棚卸の際の返品)は2025年末までに-80%、事業ゴミは2030年までにマテリアルリサイクル100%へ、グループ全体で出されるゴミの総量は2023年末までに-20%(2023年末)など。実際、オフィスを全面改装するにあたり、内装資材としてこれまで廃棄されていた化粧品の余剰在庫(口紅やアイシャドーなど)を壁の顔料として使用、ところどころ美しい色を放つ壁は社員にも好評だそうです。また、改装により不要になった家具は捨てるのではなく、パートナー企業に委託し中古家具として再販売。さらに使われなくなった美容部員の制服を自動車の内装部品としてアップサイクルする(2022年7月より)など、ユニークな取り組みにも着手しています。また、化粧品空き容器回収の取り組みを全事業部で開始、消費者を巻き込んで循環型社会の実現を目指しています。

日本ロレアルのサステナビリティ

《今回、楠田さんをはじめ、インタビューにご同席くださった方は全員が女性。社内の女性比率の高さを実感しました。社会的弱者であるシングルマザーを助ける、余剰化粧品を壁の顔料に使う、美容部員の制服を役立てるなど、「なるほど」と思わされたことが多々。直接的にも間接的にも地球のため、人々のためとなる様々な取り組みについて、生き生きとお話しくださる楠田さんのお姿を同じ女性としてかっこよく、羨ましく思ったのは偽りない本音です。持続可能な社会のために、楠田さんをはじめ女性が生き生きと働く日本ロレアルの新しい発想に今後も期待できそうです。》

日本ロレアル株式会社
ヴァイスプレジデント
コーポレート・レスポンシビリティ本部 本部長
楠田 倫子(クスダ トモコ)さん

1989 年上智大学法学部 卒
1994 年米国コロンビア大学経営大学院にて MBA 取得
国内金融機関、米系消費財メーカーを経て 1999 年日本ロレアル入社。
プロフェッショナルプロダクツ事業本部にてサロン流通ブランドのマーケティング統括やアジア市場における製品開発を担当したのち、2009 年からロレアルリュクス事業本部、2015 年からはアクティブコスメティックス事業部において、シュウウエムラやラロッシュポゼなど様々なブランド統括および事業部長職を歴任。2020 年にヴァイスプレジテントに就任し、コーポレート・アフェアズ&エンゲージメント本部長を経て、2022年9月よりコーポレート・レスポンシビリティ本部長、現在に至る。日本におけるサステナビリティプログラムや CSR 活動を統括するとともに、企業倫理、人権、DE&I の推進・遂行を担う。
日本ロレアルエクゼクティブコミッティーメンバー

ロレアルグループ

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